「日本酒をつくる杜氏(とうじ)の手はキレイ、白い」と聞いたことはありませんか?


その証拠に、化粧品ブランドはもちろん、酒造メーカーも日本酒の成分を配合した化粧品を販売しています。
調べてみると、こんなにあるんだとびっくりするほどです。
- 日本酒って美容にイイってホント?
- 日本酒の手作り化粧水って危険じゃないの?
- 日本酒メインの手作り化粧水をつくってみたい!
このページでは、日本酒入り手作り化粧水に興味があるあなたのために、実際につくってみました。
また、日本酒について期待できる効果や成分、さらに手作り化粧水に適している日本酒など掘り下げてお伝えしていきます。
日本酒の手作り化粧水は美容にとっても効果があると言われています。
ホントはどうなのか、試してみようと思います。
読み終わる頃にあなたは「日本酒入り化粧水のマイスター」になっているかもしれませんよ!
目次
まずは日本酒について知ろう!

このページの目的は日本酒で手作り化粧水を作ることですが、その前に日本酒について学んでおきましょう。

料理酒として使えそうな安価な日本酒から、高価な有名酒造が販売しているものまでさまざま。
味も違うんですよね~。
調べてみると、ほんとにいろいろな種類の日本酒があることが分かりました。
また、手作り化粧水の使用に適しているものや、そうでないものもあるんです。
そもそも日本酒ってなに?

日本酒は簡単に説明すると「お米を発酵させてこしたもの」です。
酒税法では
- 米、米こうじ、水を発酵させてこしたもの
- 米、米こうじ、水、清酒かすなど政令で定める物品を発酵させてこしたもの
- これらに加えてアルコール度数が22%未満
参考:国税庁
このように定められています。
「こす」という工程が「日本酒」には欠かせません。

「米、米こうじ、水」だけでできる日本酒は、それら材料のひとつひとつの品種や量の割合などの違い、さらには発酵時間等の違いによりさまざまな日本酒がつくられているのですね。
日本酒の種類
今お伝えしたように、日本酒は原料の違いなどで8種類に分けられます。

「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」など、よく目にしますよね。
これらは特定名称酒と呼ばれ、原料・製造方法に違いがあり、商品に表示をするためには条件があり、「清酒の製法品質表示基準」で決められているんです。
ただ、これらの特定名称酒はランク付けをするものではなく、酒造技術が大きく影響しているんだそうです。
お酒つくりの工程は複雑ですから、酒蔵の技術、杜氏(とうじ)の腕の見せどころ、といったところでしょうか。
■ 大吟醸酒
原料は50%以下の精米歩合の白米、米こうじ、水
固有の香味及び色沢が良く、吟醸酒より徹底して低温長期発酵されます。
少量の醸造アルコールが入っているものもあります。
醸造アルコールを入れず、「50%以下の精米歩合の白米、米こうじ、水」で造られたお酒は「純米大吟醸酒」と言います。
日本酒の中でも最高ランクと位置付けられることが多いです。
■ 吟醸酒
大吟醸、吟醸 とお酒のラベルに書かれていると高級感がありますよね。
厳選されたお米を使っての60%以下の精米歩合、そして吟醸造りという製法で造られています。
味や香りは日本酒の最高峰だと言われています。
なので高価です。
ちなみに、リンゴやバナナなどのフルーティーな香りは吟醸香と言われています。
■ 純米酒
純米酒はお米だけでお酒を造っています。
また精米歩合の制限がないので、銘柄によってスッキリ感だったり深い味わいだったり違いがあります。
いろいろと飲み比べて自分の好みを見つけるのも楽しいですね。
■ 本醸造酒
原料は米、米こうじ、水、醸造アルコ-ル。
日本酒の基本的なお酒で精米歩合は70%以下と決められています。
純米酒に比べると淡麗で飲みやすいことが多いです。
飲み方にも幅があり、お酒本来の特徴を損なうことはありません。
価格もお手頃ですしね。
■ 生酒
日本酒は、酵母の活動を休止させるために2回火入れをするそうですが、この工程をしないのが「生酒」です。
フレッシュな味わいなので、「キンキンにしっかり冷やすと美味しい」です。
玄米の表面を削って仕込みに使いますが、この削り(磨き)の程度のこと。
例えば、精米歩合60%と書かれていると、40%を削って60%を使っているという意味になります。
精米歩合が高いほうが雑味のない香りの高いお酒になるんだとか。
感覚としては、精米歩合が低いとスッキリしていて、高いと濃厚なお酒だということですね。
ただ、精米歩合が高いということは、タンパク質やアミノ酸などの美容に大事な成分も削られている・・ということも覚えておきましょう。

手作り化粧水に適した日本酒

お伝えしたように、日本酒の種類が多いと迷ってしまいますよね。
安価なお酒よりも、高価な大吟醸のほうが美肌にいいのかな・・とか。
安いよりも高いほうがいい、、みたいな。
でも、美肌のために適した日本酒は大吟醸ではありません。
結論からお話ししますと
大吟醸のような高級日本酒ではなく、価格がお手頃な「純米酒」がお肌のためにはイイのです。


日本酒は、原料のお米を磨けば磨くほど、雑味が少なくフルーティーな味わいになります。
精米歩合が高いということですね。
「雑味」をほどよく削り取っているから芳醇な味わいなんですよね。
ただ、この雑味にアミノ酸が豊富に含まれているんです。
美味しく飲むには、アミノ酸は適度に含まれているほうがおいしいということですが、美肌のためにはアミノ酸は必須!
多ければ多いほどいいのです。
大吟醸を造る過程で、その大事なアミノ酸を失っています。
つまり、「大吟醸のような高級日本酒よりもお米をあまり磨いていない純米酒のほうがアミノ酸の量が多い」という訳です。
日本酒の美容成分と期待できるお肌への効果は

日本酒にはアミノ酸やコウジ酸をはじめ、
びっくりするほど女性にうれしい成分が含まれています。

【アミノ酸】
アミノ酸は美肌のためにはとっても大事な成分で、たんぱく質の原料です。
そのアミノ酸の種類は豊富で、日本酒にはたくさんの種類のアミノ酸が含まれているんですよ。
セリンやグリシン、アラニン、アスパラギン酸など天然保湿因子を構成するアミノ酸も!
アミノ酸が主要成分の「天然保湿因子」の量が少ないと水分が失われてしまうため、お肌のカサつきやひび割れなどを引き起こします。
さらに保湿だけではなく、新陳代謝を活性化する働きも持っています。
【コウジ酸】
コウジ酸は米麹に含まれており、シミ予防に効果が高い有効成分です。
医薬部外品の美白化粧品によく配合されています。
化粧品の成分表で、よく目にしますよね。
メラニンをつくるチロシナーゼの活性を抑えてメラニンの生成を防いでくれます。
【フルーツ酸】
果物から抽出されることが多いのでフルーツ酸(AHA)と呼ばれています。
フルーツ酸には古い角質を取り除くピーリング効果があり、お肌に優しいということも知られています。
なので、皮膚科やエステなどでケミカルピーリングに使用されることが多いです。
フルーツ酸などのピーリング剤を使用し、お肌の表面や毛穴部分の古い角質をはがれやすくするトリートメント。
ニキビや過剰皮脂、くすみなどに効果が期待できます。
【グリセリルグルコシド】
最近注目されている成分。
グリセリルグルコシドはαGG(アルファジージー)とも呼ばれ、酒造会社の白鹿が発見した日本酒由来の新成分です。
保湿効果に優れていますが、そのほかにもお肌のハリや潤いなど、ターンオーバーの改善もサポートしてくれます。
【フェルラ酸】
フェルラ酸は米ぬかから抽出され、抗酸化作用があります。
抗酸化というとポリフェノールというイメージですが、このフェルラ酸もポリフェノールの一種です。
酸化防止のほかにも、メラニン色素を抑える働きがありシミなどの予防にも効果が期待される成分です。
フェルラ酸は小麦やピーナッツなどにも含まれているんだとか。
そう聞くと、すぐにでも食べたくなりますよね。
参考:美容成分辞典
日本酒を使った化粧水の作り方
必要なものはドラッグストアや100均でそろえることができます。
容器はきれいに洗って乾燥、エタノールで消毒しておきましょう。
- 日本酒 30ml
- 精製水 60ml
- グリセリン 小さじ1
- 容器

- きれいに消毒して乾燥させた容器に日本酒を入れる
- その中に、精製水、グリセリンを入れてシャカシャカ混ぜる
- できあがり♪
グリセリン入りの手作り化粧水と同じように、ただ混ぜるだけです。
保存料など添加物は何にも入っていないので、1週間程度で使い終わったほうがイイですね。

日本酒を使った化粧水を作ってみた!
とっても簡単なので、日本酒入りの化粧水を作ってみました。
1、材料を揃えます。
純米酒を用意。成分もチェックしましたよ!
2、日本酒を容器に入れます。
きっちり計って、保存用の容器に入れます。
3、次に、精製水とグリセリンを入れます。
4、シャカシャカ振って良く混ぜ合わせます。
無色透明ではなく、「お酒の色」のような少し黄色みがかかっていますね。
5、さっそくお肌につけてみます。
手のひらに取ると、軽く日本酒の匂いがします。
テクスチャは少ししっとりした感じ。
精製水+グリセリンの化粧水よりも手のひらでまとまってくれます。
つまり、水のようなサラサラではなく、ちょっとしっとりしているというか、とろみがあるというか、
そんな感じです笑

☆手作り化粧水☆
化粧水無くなった
さて、作ろ。と思ったらあるはずの酒粕が無いっ
どんだけ探しても無いっおっかしいなぁ
使ったんかなぁ
そーねんろぉなぁしゃ~ない
日本酒あるしね
こっちで作ったよ??#手作り化粧水#日本酒#冷蔵庫保存 pic.twitter.com/mQbQtW27AD— うめちゃん(さおり) (@umechan_s) 2019年2月17日
市販されている日本酒化粧水3選!
日本酒はアミノ酸が豊富ですし、美肌に良いと言われている成分がバランスよく配合されています。
ですから、積極的に利用したいスキンケアアイテムだと言えます。
とはいえ、やはりいつも手作りは面倒だなと感じたら、市販の日本酒入り化粧水を利用しましょう。
人気が高い化粧水をご紹介しますね。
菊正宗 日本酒の化粧水

酒造メーカーがつくっている化粧水。
価格もとってもお手頃なので人気が高い化粧水です。
500mlに、なんと日本酒一升分の主要アミノ酸がギュッと止まっているんだとか。
すごすぎます!
日本酒だけではなく、アルブチンやプラセンタエキス、セラミドなどの保湿成分も配合されているので、さらにしっとり肌になりそうですね~
写真は高保湿タイプだけど通常タイプがあるので、お肌の状態に応じて選ぶことができますよ。
ビューア 日本酒 化粧水

日本酒以外の天然由来保湿成分がたっぷりと配合されており、保湿に優れています。
容量が500mlなので、全身にバシャバシャ使えそうですね。
弱酸性、無着色、無鉱物油の低刺激処方になっています。
日本ゼトック ほまれ化粧水

日本酒を60%配合し、ラベンダー製油や植物エキスを配合しているのが特徴です。
しっとり潤い、健やかなお肌へ導いてくれます
日本酒の香りは押さえられているので使いやすいと思います。
ラベンダーで癒されますよ。
無着色・合成香料フリー・パラベンフリーなので敏感肌でも安心です。

まとめ

日本酒のパワー、わかってもらえましたか?
作り方も簡単ですから、積極的に利用したいですね。
お肌のトラブルが心配だったら、パッチテストで確認して使用しましょう。

テクスチャや配合されている成分が違います。
自分のお肌に合うものを見つけましょう。
・容器は消毒し濃度にも気を付ける
・純米酒を使用する
・お肌の荒れが心配な場合はパットテストを行う
・手作り化粧水は1週間をめどに使い切る
・お肌がピリピリしたり違和感がある場合は使用を中止する